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夫がいるのに子育てに孤独を感じる理由
育児をしているお母さんは社会から取り残される不安を感じることがあると思います。
期限のある三年間の育児休暇中の友人でさえ、赤ん坊と二人で家にいるとさびしい。
夫が帰ってくるのを待ちわびるけれど、遅くなると連絡があるとがっかりすると言います。
さきほどの育児休暇中の友人は子どもがいなかった時期に一戸建てを購入し引越しましたが、昼間は働いていたので周囲に友人がいません。
子供が生まれるぎりぎりまで仕事をしていたので仕方ないのです。
実家が近いとか友人がたくさんいる場合はよいのですが、そうでない場合は話す人が夫だけになってしまいます。
そのためひとりで育児をしているような錯覚に陥ったり、育児に対する責任をひとりで負っているような感覚になりやすくなるので、孤立感を強めてしまうのでしょう。
また、現代社会は女性の自己実現とか社会参加が叫ばれている時代ですから、子育てだけをしているとなんとなく自分に価値を見出しにくい場合もありますね。
そうすると育児をしている自分自身に失望の気持ちや劣等感を持ちやすくなり、自身の社会的価値を否定的に捉えてしまうことから、取り残されることに不安を持つのですね。
加えて今までとは違って子供を介しての新しい人間関係を築いていかなければならないので様々な葛藤も感じることと思います。
周囲に安心して話のできる人間関係があるとずいぶん違いますね。
夫とのコミュニケーションに満足していると育児が楽しい
こんなとき、一番頼りになるのはお父さんですが、お父さんはそのことに気づいているのでしょうかね~。
夫とのコミュニケーションに満足している母親は、夫が育児を手伝ってくれなかったとしても、育児に不安を持つことが少ないそうです。
また、実家やご近所とのコミュニケーションが密であればあるほど、育児に不安が少ないのです。
ですから、お母さんは意識して身近な人たちと濃いコミュニケーションをしていくことが必要なのですが、、、
それが出来れば不安なんてないのよ~と思う方々、多いと思います。
私もそうでした。
上の子のときは実家が遠くて近くに友人もいない状況で、産後クライシスが長く続いてしまったのです。
夫が話を聞いてくれるようになる魔法
さて、どうしたらよいのか、ということですが。
とは言っても、やはり、第一は意識してお父さんとお話をすることです。
そのときに、どうして私ばっかり、育児も家事も、あなたは好き勝手してていいわね!!なんて責め口調はまずいです。
そう言いたい気持ちもわかります。
でも、それを言っちゃあおしまいよ、です。
実際私はそれで失敗しました。
「聞いてくれるだけでいいの」と気持ちを伝える
まずは気持ちを伝えましょう。(父さんが不機嫌だったり心配事があるときは避けてくださいね。)
「聞いてくれるだけでいいの。何も言わなくてもいいから聞いてほしいの。」と前置きしたうえで、
「(私は)昼間ひとりでいると孤独を感じることがあるの。」
「(私は)ひとりで育児をしている気持ちになることがあるの。」
「(私は)さびしい気持ちになるの。」
お父さんの反応を期待してしまうと、期待はずれに終わったときに大変がっかりしますから、言えたことを喜びましょう。
夫にしてもらいたいことを可愛く言う
もしお父さんがお母さんの現状について聞いてきてくれたらお父さんにしてもらいたいことを言ってみましょう。
(このとき、可愛くね。文句言い口調はだめなの。同じことを言うのでも文句だと夫が感じてしまうと彼は心を閉ざしてしまいます。男性は責められることが大変苦手です。)
「聞いてくれてありがとう。聞いてくれるだけで落ち着くの。」と言う
そして、「聞いてくれてありがとう。聞いてくれるだけで落ち着くの。」と言ってみましょう。
これを続けていくと、お父さんは聞くだけでいいのか、と学習してくれます。
実際、女性は気持ちを話せると落ち着く場合が多いのです。
お父さんはお母さんが困っていると思うと、いろいろこうしたらいいああしたらいいと言いたくなります。
男は問題を解決しなければならないとすぐに考えてしまう脳なので。
でも解決策が必要でない場合は、前もって「聞いてくれるだけでいいの。何も言わないで、聞いてもらえるだけで落ち着くの。」と言っておくとよいのです。
お父さんには感謝を示して、持ち上げて、聞いてもらったらありがとうとまた感謝する。
お父さんとの絆を強くすることが育児不安を解消するために一番効く薬です。
互いに心地よい関係を築くことができるように応援しています。
身近に相談できる人がいると子育ての不安が少ない
そして次に必要なことは…
子育ての疑問心配などを解消したい場合どうするかというときに、実家の母親や身近な友人・親戚などに聞けたり、夫に相談できたりする人とそうではなく、育児本などで心配ごとを解消しようとする人がいます。
どちらが不安が少ないかというと、身近な人に助けを求められる人、なんですね。
これはどういうことかというと、人を信じる力を持っているということです。
人間は他人から信じられることによって自分を信じることができるようになります。
他人を信じるられることによって自信が生まれます。
人間の心をかたち作る一番の基本となる部分です。
これが弱いと思う方は人とくつろいだ関係を結ぶように意識してみてください。
ホームスタートという家庭訪問型子育て支援があります。
利用できる方はここに連絡をするのもよいと思います。
http://www.homestartjapan.org/guide/
身近な人に相談できない原因・その心理は?
中にはシングルで子育てしてる方もいらっしゃると思いますのでそういう場合は実家のお母様やご兄弟(姉妹)、または身近な友人などと、気張らずお付き合いをするように意識してみてください。
でも、どうしてもできないの、と言う方もいらっしゃると思います。
どうしてか分からないけれど、良い子(良い人)のふりをしてしまうとか、相手の気持ちを気遣って自分の本心を見せることができないとか、相手に合わせてしまうとか、不自然な振る舞いをしてしまうとか、気持ちに反して不機嫌な態度をしてしまうとか。
その原因は親御さんとの関係にある場合が多いのです。
ご自身の親を許せないというお気持ちをお持ちの方が多いのではないかと思います。
社会的非行を繰り返す子供たちは親に怒りの感情を持っていることが多いそうです。
同時に非社会的(ひきこもり・不登校など)な子も同じなんですね。
親を本当の意味で許すことができると変わります
親も人の子、仕方がなかったんだ、ああいう態度しかとれなかったんだ、と受け入れることが出来ると、自分自身を受け入れることができます。
そしてそう思えるようになるためには、ご自身をありのままに愛してもらえる機会に恵まれる必要があります。
自分自身が認められ承認されありのままでいいんだよ、と言い続けてもらうことによって、相手を心から信じられるようになるのです。
そのことは自分を信じられるようになることを意味します。
自信がついてくるんですね。
これは心の奥底の無意識の場所で自分はありのままでいて愛されるとはっきり確実に信じられるようになったということです。
自分で自分をありのまま認められるようになるのです。
そうすると身近な他人に無用の気遣いをすることがなくなりますから、自然体で接することができ、くつろいだ関係を築けるのです。
自分で自分を癒す方法
身近にそういう承認してもらえる場所(人)があればいいのですが、それがない場合は自分で自分自身を愛してあげることでも癒すことができます。
「私はそのままでいて愛されます」
「私は愛される価値のある人間です」
そういうことをいつも忘れないようにすると、時間はかかりますがずいぶん変わってきます。
心の深い部分でこれらのことがいつも認識されるようになると変わるのです。
私は寝る前に周囲のひとたちに感謝してから時々そう思うようにしています。
最初の最初のころは「そんなことない、私はだめだわ。」という気持ちがわいてきますが、打ち消して考えないようにしました。
続けるうちにそういえば、私、変わった!と思う日がやってきますよ。
お母さんたちが少しでも気負わずにらくに子育てができるように応援したいと思っています。
それは子供たちの幸せに直結してるから。
ひとりでも多くの子供たちが明るい幸せな毎日をすごせることがさくらの願いです。
私の育児の考えの基本になるのが「子どもへのまなざし」の著者、佐々木正美先生の考え方です。

子どもへのまなざし
佐々木先生はもうお亡くなりになってしまいましたが、臨床の現場でずっと子供たちに接してきた児童精神科のお医者様でした。
私は先生の講演には何回も出かけてその優しい語り口のお話を聴きました。
穏やかな暖かい話しをしてくださる先生で、お話を聞いて帰るときには早く子供たちに会いたくてたまらなくなるほど子供たちが愛おしくなりました。
子どもの心を育てることでメンタルの強い子や社会性のある子に育ってほしいと思われるならこの本をお勧めします。